プリニウス「博物誌」植物篇

農業に由来する姓や言葉
(略)
「財産」(ペクニア)という言葉も「家畜」(ペクス)に由来するし、さらには、今日でも監察官の文書においては、国家の財源を「牧場」(パスクア)と呼んでいる。
長い間、牧場は唯一の国庫収入の財源であったからである。
罰金もまた、ヒツジやウシの支払いだけで定められていた。
(略)
セルウィウス王(ローマ第六代目の半伝説的王)が初めて、銅貨にヒツジとウシの像を刻印した。
ラセルピキウム
これらのすぐ次には、重要な植物としてよく知られているラセルピキウムを語るのがよいであろう。
それはキュレナイカ属州で発見され、ギリシア人たちはこれをシルフィオンと呼んでいる。
この汁はラセルと呼ばれ、薬用としてとても有益で、同じ重さのデナリウス銀貨で取り引きされた。
だがその地で最近しばらくラセルピキウムは見つかっていない。
かつてそこを牧場として貸借した収税役人たちが、もっと儲けがあると考え、家畜の飼料にして荒らしてしまったからである。
われわれが記憶している限りでは、茎が一本だけ発見されてネロ皇帝のもとに送られた。
もし家畜が生え出しそうなラセルピキウムを見つけたとき、それは次の様子でわかるであろう。
すなわち、ヒツジはそれを食べるとすぐに眠ってしまうし、ヤギはくしゃみをすることによって。

何度かご紹介している、プリニウスの「博物誌」の植物篇からもう少し。

ひつじ話

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