ユザワヤとメリーチョコレートのコラボ

ひつじグッズ

昨年、かわいさにつられて箱買いしてしまった「メリーちゃんの羊」チョコの「メリーチョコレートカムパニー」と、編みものをする羊をトレードマークとする大型手芸用品専門店「ユザワヤ」が、ひつじつながりでコラボレーションキャンペーンを行っているそうです。

お弁当袋セット
メリーチョコレートとユザワヤは、どちらも本社が東京都大田区にあり、さらに「ユザワヤ」のトレードマークの“創造のひつじ”(羊が編み物をしている図案)と、「メリーチョコレート」の新キャラクター「メリーちゃんの羊」の“ひつじつながり”をきっかけにコラボレーション商品をつくりました。

6月6日は『ひつじの日』キャンペーン開催!
★東京都大田区を拠点とする「ユザワヤ」と「メリーチョコレート」が
”ひつじつながり”でコラボレーション★
(株)メリーチョコレートカムパニーとユザワヤが共同で「ひつじの日」キャンペーンを開催中!
実施期間 2010年5月15日?6月中旬
展開内容 
【ユザワヤ】 「メリーちゃんの羊」キャラクター生地、お菓子等の販売
【メリーチョコレート】 ユザワヤ製造の生地を使用した、布袋入「メリーちゃんの羊」お菓子販売
コラボ商品 商品内容
・メリーちゃんの羊 お弁当袋セット 1,660円(本体価格 1,581円)
・メリーちゃんの羊 きんちゃく袋セット 660円(本体価格 629円)
上記商品は、ユザワヤ及びメリーチョコレート店舗にて販売(一部店舗を除く)

ユザワヤの記事内には、大田区長を表敬訪問する着ぐるみメリーちゃんの写真も。

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フラゴナール 「ディアナとエンデュミオン」

ひつじ話

「ディアナとエンデュミオン」

「家畜の群れの帰り」をご紹介しているジャン・オノレ・フラゴナールの、ギリシア神話に由来する「ディアナとエンデュミオン」を。
ロココ美術のご紹介も少したまってきましたので、こちらでまとめてぜひ。

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「食卓の賢人たち」

ひつじ話

ウルピアヌスがこういう話をつづけているところへ、世にいう物知り料理人の見本のようなのが入ってきて、「ミュマでございます」と言った。
ほとんどの者にはこのミュマなるものが初耳だったので―その料理人はミュマとは何か説明しなかった―ぽかんとしていると、彼が言った、
(略)
「(略)料理術が格式の高いものだったことは、アテナイの触れ役を見れば分かります。
触れ役は料理人と犠牲獣の喉を切る係を兼ねていたのですからな。
(略)ホメロスでは、アガメムノンは王でありながら、彼自身が犠牲を供えております。
詩人はこう申しておりますでしょう(『イリアス』三、二九二)、
「(アガメムノンは)かく言うと、哀れみを知らぬ剣をかざして羊の喉を切った。
羊は息もたえだえに、あえいでおったが、青銅の刃に
命を奪われ、地面にくずれ落ちた。」
(略)
ローマでも、検察官―これはたいへん高い地位です―が紫の縁どりをした衣装を着け冠を戴いて、斧で犠牲獣を屠ります。
ホメロスでも触れ役が宣誓を行ない犠牲を執り行ったのは、何かのついでにたまたまやったわけではなく、これは古くから彼のつとめと決められていたことなのです。
「早速にも羊をつれ、プリアモス王を招くべく、ヘクトルは
城内へ二人の触れ役をつかわした。」(『イリアス』三、一一六)
一方アガメムノンは(同、一一八)、
「王アガメムノンはタルテュビオスをばつかわし、
虚ろに造った船の陣へ赴き、羊を持って参れと命じた。」

2世紀ごろにアテナイオスによって著された、古代ローマの宴席を描く「食卓の賢人たち」から、物知り料理人の長台詞を。
王が羊を牽くというと、古代中国の肉袒牽羊の故事を思い出しますが、立場はずいぶん違っていそうです。
なお、これまでに「イリアス」関連でソポクレスの「アイアス」オデュッセウスを、
古代ローマの宴席については、「サテュリコン」その続き、及びアピキウスのレシピをご紹介しています。

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ベアトゥス黙示録註解(ファクンドゥス写本)

ひつじ話

ファクンドゥス写本による子羊のヴィジョン
子羊は進み出て、玉座に座っておられる方の右の手から、巻物を受け取った。
巻物を受け取ったとき、4つの生き物と24人の長老は、おのおの、竪琴と、香のいっぱい入った金の鉢とを手に持って、子羊の前にひれ伏した。
この香は聖なる者たちの祈りである。

黙示録第5章

この挿絵が宇宙的ヴィジョンを示そうとしたのは明らかである。
全体を囲む大円には白く輝く24個の星々があり、それがこの宇宙図を活気づけている。
もちろんその数は偶然の数ではない。
円内の水平と垂直の軸上に、福音書記者のシンボルの4つの生き物が表わされ、他に12人の人物がいる。
3人ずつ4グループを成す12人は、24人の長老たちを意味する。
グループごとに、1人が楽器を、1人が黄金の鉢を手にし、3人目の人物が跪拝のポーズ(プロスキネシス)をとって、子羊の前に平伏している。

8世紀スペインのベアトゥスによって書かれた「ヨハネ黙示録」の註解の、11世紀に制作された写本の挿絵部分です。
引用した「子羊、4つの生き物、長老たちのヴィジョン」は、ウンベルト・エーコ「薔薇の名前」の表紙にもなってますね。

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金羊毛騎士団勲章の写真

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金羊毛騎士団勲章
金羊毛騎士団勲章は、金の台座の上に、およそ400個のダイヤモンドと102個のルビー、セイロン産の大きなサファイアがちりばめられた3つの部分からなる。
上部は中央の13カラットの大きなダイヤモンドを中心に、リボン結びの形にしてダイヤモンドが配されている。
葉模様で縁取りされた楕円形の中央部は、31.50カラットから14カラットまでの5つの大きな良質のダイヤモンドで椰子の葉状に飾られている。
下部は松明と羊からなり、中央に48カラットの8角形の大きなサファイアを配し、184個のルビーが嵌め込まれている。
(略)
1825年の史料によると、この勲章は、1785年5月3日ヴィラ・ヴィソーザで当時王太子のドン・ジョアンに授与されたことになっており、未来の王(ジョアン6世)は、802号で入団した。

 「ポルトガル―栄光の500年展」カタログ 

勲章を胸にさげた王侯たちの肖像画をいくつもご紹介しているものの、そのものについての説明がこころもとなかった金羊毛騎士団勲章ですが、みごとな写真をみつけましたので、あらためて。豪華です。

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「エンソくんきしゃにのる」

ひつじグッズ

「エンソくんきしゃにのる」
ひつじかいが となりに すわりました。 「きみは どこまで いくの?」
「しゅうてんまで」 「そうか、おれたちと おなじだなあ」

スズキコージの絵本です。
ひとりで田舎のおじいさんのところへ遊びに行くことになった、エンソくんの道中記。旅の道連れは、あろうことか列車に満載された羊たちです。

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熱田神宮の十二支守り

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先日手に入れた津島神社の未のお守りがかわいらしかったので、他の神社ではどんなものだろうと、今回は熱田神宮まで行って参りました。
熱田神宮本宮
こちらが本宮。ともあれ、参拝を。しかるのち、本宮右手の授与所でお守りをお受けします。
熱田神宮の未守り
かわいい……。十二支全部、甲乙つけがたく愛らしい細工物でした。横の白鳥は、神宮がお祀りする日本武尊の伝説にちなんだ「しあわせ守り」とのこと。ふかふかです。
おまけ。手水舎にいた鶏。
神宮の鶏

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シャルトル大聖堂の十二宮(続き)

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シャルトル大聖堂のステンドグラスの黄道十二宮
《黄道12宮の象徴と12か月の労働》
高さ:7.47m 幅:2.07m

扉口の浮彫による十二宮と月々の仕事をご紹介しているシャルトル大聖堂の、こちらはステンドグラスによるものです。
縦長の窓の低めの位置に、三月の労働である「ぶどうの剪定」と並んで、「牡羊座」が。

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伊集院静 「羊の目」

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近づくとそれは古い教会だった。海風に晒された分厚い木の扉が開いていた。武美は中を覗いた。人影はなかった。天窓から差し込んだ陽差しが祭壇を浮かび上がらせていた。きらきらと光るものが見えた。何だろう? 武美は中に入った。祭壇の背後の壁に磔刑のキリスト像がかかっていた。木偶の素朴な像だった。光っていたものの正体は祭壇の上にぽつんとあった子羊の石像だった。そのそばにイエスを抱いたマリア像があり、赤児のイエスが子羊に手を差し出していた。赤児と子羊の頭が光を放っている。武美はリトルトーキョーの教会で神父と交わした会話を思い出した。
『神はどんな人間でも救って下さるのですか』

伊集院静の小説「羊の目」です。「親の望むがままに敵を葬り、闇社会を震撼させる暗殺者となった武美に、神は、キリストは、救いの手をさしのべるのか―。」とのアオリつき。任侠ものを読んで羊に出会えることがあろうとは。

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ファブリオー 「エテュラ」

ひつじ話

司祭は答えてこう言った。
「こんな時刻に来いなどと
おまえは気でも狂ったか
靴も脱いでしまっている。
とても出かけられぬぞ」と。
若者はすぐ言葉を継ぎ
「いや、だいじょうぶ、私が
おぶって差しあげます」と言う。
(略)
キャベツを盗っていた弟は
白い衣をフラフラさせ
近づいて来る司祭を見て
獲物を運ぶ兄と思い
うれしそうに声をかけた。
「何かあった?」「お待ちのものです」
てっきり父の声だなと
思った息子はそう答えた。
「じゃ、そこにすぐ投げ降ろせ。
包丁はとてもよく切れるよ。
鍛冶屋で昨日、研がしたから。
のど首はすぐ切れるだろう」
(略)
キャベツを盗っていた方も
なぜ逃げるのか、誰なのか
白くフラフラしているのが何か
驚きながら杭にまで
来てみれば、それは袈裟だった。
そこに羊を肩にして
小屋から出てきた兄の方が
キャベツを袋一杯に
盗った弟に声を掛けた。

中世ヨーロッパの滑稽譚ファブリオーの紹介本から、「エテュラ」を。
空腹に耐えかねた貧しい兄弟が、闇にまぎれて富家に泥棒に入ります。兄は家畜小屋に忍び込み羊を肩にかついで、弟は包丁を手にキャベツ畑に。そこに司祭をおぶった富家の息子がはちあわせて……?

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善き羊飼いの石棺

ひつじ話

石棺(部分) 善き牧者の石棺

先日に引き続いて、「善き羊飼い」モチーフのお話を。初期キリスト教の石棺群に浮彫されたものです。
この「羊を肩にかつぐ」ポーズは、ブリューゲル下絵の版画「良い羊飼いのたとえ」ウィリアム・J.ウェッブの「迷える羊」にも使われています。ご参考にぜひ。

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善き羊飼い(続き)

ひつじ話

善き牧者》(および牧者のテーマ)
3?4世紀を通じ、《善き羊飼い》、《牧者》の姿を借りて使徒の魂の守り手、導き手を表現する図像が発達した。
(略)
ここに《善き牧者》と特に限定して指すのは、正面立像の牧者(若者又は老人)が肩に羊をかつぐ型のことである。(ルカ伝15章5節参照)。
これと同じ型は、すでに古代東方美術中に、生けにえを運ぶ供養者の姿として、またギリシア美術では《牡羊をかつぐヘルメス》として、表されている。
牧杖、牧笛その他牧人の持物や服装をそなえていることは勿論である。
他方、(略)牧人の田園生活を表す主題が、文学におけるのみならず、古代末期異教美術のレパトリーの重要な部分を占めていた。
《善き牧者》図像の登場と同時に、こうした異教起源の牧人のモティーフが大量にキリスト教美術中にも導入された。
山羊の乳をしぼり、牧笛を吹き、牧杖に体をもたせかけ、あるいは水辺に横たわって、休息する牧者たちの周りには、樹木や小丘、草を食む羊の群れ、番犬、藁小屋などが配され、牧歌的雰囲気をかもし出す。
迫害時代には、この種のローマ世界に慣例化していた牧歌的モティーフを意識的に利用することにより、信者のみにその意味を啓示する像として《善き牧者》の姿が巧みにおおい隠されていたのだと解釈してもよかろう。

カタコンベのフレスコ画ヴァチカン美術館の彫像をご紹介している、羊を肩にかつぐ羊飼いのテーマについて、良い解説がありましたので、あらためて。
聖書における羊飼いイメージの典拠として、福音書詩編もご参考にどうぞ。

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ラヴェンナの石棺

ひつじ話

石棺彫刻
(上) キリストの象徴としての仔羊。石棺。5世紀。ラヴェンナ、ガラ・プラキディア廟
(下) 象徴としての仔羊と十字架。石棺。5世紀。ラヴェンナ、ガラ・プラキディア廟。

イコノロジーの入門書「シンボルの遺産」の一章、「石棺のアルケオロジー」から。

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アルチンボルド「四大元素」(続き)

ひつじ話

アルチンボルドの絵に政治的な意味がひそんでいることにひとたび気づくと、そのほかの多くの細部までが特別な意味を持つものとしてたちあらわれてくる。
そのため、あるレヴェルでは四大元素に言及していると解釈できるような絵の要素が、別のレヴェルではハプスブルク家に対する引喩となる。
(略)
一方では、「火」の首の周囲に巻きついている金羊毛は、フォンテオによれば、その鎖が、いっしょになると炎を発する火打石や打ち金でできているように、「火」そのものを暗示している。
他方では、金羊毛はとりわけハプスブルク帝国の秩序をあらわし、中でも特に王家の秩序をあらわすと考えてよいのである。
「火」はまた大砲、火薬、芯などといっしょにされていることから、軍事に関係するものとみなすこともできる。
(略)
同様に「土」の絵もまたハプスブルク家の特徴をよくそなえている。
その肩には、コマニーニがライオンの皮と羊毛皮の勲章とみなしたものがのっている。
この二つはどちらもハプスブルク家のシンボルとして名高い。

以前ご紹介したアルチンボルドの連作「四大元素」の「火」および「土」について、画家の仕えたルドルフ2世の世界の解説書から。

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ペロー童話 「グリゼリディス」

ひつじ話

暇をみつけるとすぐ、大公はまた狩りに出て、
巧みにまいて
供の一行から逃げ出し、
首尾よく道に迷います。
念入りに観察しておいた
木々の梢、山々の高い頂、
忠実な恋心のひそかな忠告が、
見事な案内役をつとめたため、百もの交叉する道を
通り抜けたにもかかわらず、
羊飼いの娘の家を見つけました。
娘には一緒に住んでいる父親しかいないこと、
名はグリゼリディスであること、
羊の乳をしぼって静かに暮していること、
娘がだれの手もかりずに紡ぐ羊の毛で、
町に出かけるまでもなく、自力で
服をつくっていることを知りました。

シャルル・ペローの童話「グリゼリディス」を。
貞淑な妻の忍耐心を試そうとする暴君と、苦労の末に和解を果たす妃グリゼリディスのお話。引用はその冒頭、つつましい羊飼い娘だったグリゼリディスが大公に見初められる場面です。

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