ジャン=バティスト・ナティエ 「アンゼリカとメドロ」

ひつじ話

「アンゼリカとメドロ」 「アンゼリカとメドロ」

 「天使と天女 天界からのメッセージ」展カタログ 

第十七歌をご紹介したことのある「狂えるオルランド」より、主人公オルランドが恋い慕う美姫アンゼリカが、恋人メドロの名を樹に彫り込む場面を描いた、18世紀フランス、ジャン=バティスト・ナティエによる「アンゼリカとメドロ」を。岡崎市美術博物館蔵です。

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「ひつじかい」

ひつじグッズ

「ひつじかい」
ひつじかいは ほしのあとに ついて いくことに きめました
ほしが すすんで いくとおりに ひつじと いっしょに あるいていくと……

暑いさなかですが、クリスマス絵本を。ヘルガ・アイヒンガー文・絵、佐久間彪訳「ひつじかい」です。

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一宮市博物館 「硯ことはじめ」展

ひつじ話

「硯ことはじめ」展
形象硯(けいしょうけん)?動物の形?
動物の形を模した硯は形象硯と呼ばれています。
このような硯は平城京跡・斎宮跡などで発見されています。
全国的に見ても、出土した数はそれほど多くはありません。
形象硯としては、羊形、鳥形、亀形などが報告されています。
鳥の形はすでに古墳時代の埴輪に現れています。
そのほか、中空硯とよばれる携帯用の硯の突手も動物の形に見えるものがあります。

「硯ことはじめ ?文房具のルーツをさぐる?」展カタログ

ずいぶん以前にご紹介した、斎宮歴史博物館所蔵の羊形硯が出展されていると知って、愛知県は一宮市博物館「硯ことはじめ」展に行ってまいりました。
鳥(水鳥)や亀が硯の形として使われるのは水つながりで納得できるのですが、数少ないとはいえなぜ羊がいるのかは、はっきりとはわかっていません。以前も少し触れ、こちらの展覧会のカタログでもそのように解説されているのですが、「じつは羊ではなくて水妖雨工」説が有力なのではないかと。
「硯ことはじめ」展は、7月31日(日)まで開かれています。お近くならば、ぜひ。
ところで。
せっかく一宮市に来たならば、一度寄りたい場所があったので寄ってきました。
JR尾張一宮駅及び名鉄一宮駅の南側に立つ、「織姫像」です。
織姫像
一見、街角によくあるタイプの女性像と思いきや、
織姫像あしもとアップ
あしもとに楽しげな羊がいます。
古くから繊維産業によって発展した一宮のシンボルとして、昭和34年に建てられた、2.65mのブロンズ像とのこと。
なお、一宮では、この週末、7月28日(木)?31日(日)の四日間、「おりもの感謝祭 一宮七夕まつり」がひらかれます。こちらも、ご縁があればぜひぜひ。

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北京 滋養強壮に「羊のサソリ」

ひつじ食

「羊蝎子」は、羊の脊椎の周囲の部位を指す。
見た目がサソリのような形をしていることから、「羊のサソリ」の意味で名付けられた。
北京の老舗「東直門羊蝎子」2号店で総料理長を務める劉文竜さん(38)によると、羊蝎子は300年以上前の清の時代に、現在の内モンゴル自治区付近で食べる習慣が始まった。
低コレステロールのうえ、カルシウムに富み、滋養強壮に効くという。
同店では羊蝎子を水に24時間浸して脊椎内の血や汚れを取り除いた後、約80分間煮込んで脊椎の回りの肉を軟らかくする。
その後、漢方薬が入ったスープに入れ、肉をほぐして食べる。
一口かむと肉汁が口の中に広がり、体がほっと温まってくる。

もりもとさんから、珍しいヒツジ料理の記事を教えていただきました。いつもありがとうございます。
汗を流しながら食べたい感じですね。

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ブーシェ 「彼らはブドウのことを考えているのだろうか?」

ひつじ話

「彼らはブドウのことを考えているのだろうか?」

 「週刊グレート・アーティスト№76 ブーシェ」 

フランソワ・ブーシェを。「彼らはブドウのことを考えているのだろうか?」です。ストックホルム国立美術館蔵。
これまでにご紹介しているブーシェは、こちらで。

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「くりすます」

ひつじグッズ

「くりすます」
ひつじも
ひつじかいも
とびおきて
べつれへむに
いそぎます。

暑い日が続いておりますが、涼を求めてクリスマス絵本というのはいかがでしょう。
脇田晶子文、鈴木悦郎絵、「くりすます」です。

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脂尾羊の尻尾の脂肪

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脂尾羊は遊牧民の品種改良によるきわめて独創的な産物のひとつである。
このグロテスクな動物は、アラビアでは古代から記録に残っているし、現在でも、とくに中東と中央アジアの草原や高原の、遊牧民の文化が浸透しているところではよく見られる。
このヒツジが引きずっている尻尾は重くてかさばり、ビーバーの尻尾と同じくらいの幅になることもある。
自由に動けなくなると、たいへんなことになる。
ひどいときには、尻尾を運ぶためにヒツジに小さな荷車を取りつけなければならない。
だが、得られる恩恵はそうした不便をおぎなって余りある。
遊牧民の牛の肉は旅で鍛えられて筋肉質なのに対して、脂尾羊の尻尾の脂肪は驚くほどやわらかいのだ。
まるで即席の油のように、すぐに溶ける。
熱する時間がなかったり火をつけるためのたきつけが手に入らない場合でも、生のまま食べることができて、すぐに消化される。
この貴重な物質を、動物を殺さなくても切り取れる部分に集めることは、絶えず移動をつづける人びとにとってはなにものにもまさる天の恵みだった。

なんどかお話したことのある脂肪尾羊に関して、もう少し。殺さずに切り取って、そのまま食べる、のでしょうか……。

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セガンティーニ 「靴下を編む少女」

ひつじ話

「靴下を編む少女」

日本語で読めるジョヴァンニ・セガンティーニの画集が欲しいと長年思い続けていたのですが、この春に待望のものが出ていたことにいまさら気がつきました。取り急ぎ、「靴下を編む少女」をご紹介。
セガンティーニは、以前、上野の国立西洋美術館にある「羊の剪毛」を見に行ったお話をしたことがあります。最近また行ってきたのですが、現在は展示をしていないのですね。残念。

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シラー 「オルレアンの乙女」

ひつじ話

そっとひとりで楽しく過ごしたあの場所、この場所、
これっきりでお別れなの、おまえたちとも。
野の子羊たちよ、離れ離れになるのだよ。
おまえたちは、今は飼う者のない群れ。
危険でいっぱいの血みどろの戦場で、
わたしは別の群れを飼わねばならないの。

フリードリヒ・フォン・シラーの戯曲「オルレアンの乙女」冒頭、ジャンヌ・ダルクの旅立ちの場面を。
ジャンヌ・ダルクが出てくる戯曲といえば、以前、シェイクスピア「ヘンリー六世」をご紹介したことがあります。シェイクスピアはイングランドの人ですから、ジャンヌの扱いは文字どおり天地ほどに違いますが。
シラーと同時代人であるゲーテのお話は何度かしておりますので、ご参考にこちらも。

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フランソワ・ブーシェ 「恋文」

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「恋文」 「恋文」(部分)

 「ヤマザキマザック美術館〔絵画・彫刻〕」 

フランソワ・ブーシェです。名古屋市のヤマザキマザック美術館蔵。
これまでにご紹介しているブーシェは、こちらで。

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「あらゆる名前」

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「あらゆる名前」表紙
その見知らぬ彼女の墓の脇に、湿った草をもぐもぐかんでいる白い羊が一頭いた。
見まわすとここにもそこにも羊たちが草をはんでいた。
杖を手に持った老人が、ジョゼ氏のほうへ近づいてきた。
(略)
名前を取り替えるのはほんの少しの冒涜ではありません、
戸籍管理局の補佐官が名前に関してそういう考えを持ってるっちゅうことはわかるがな。
羊飼いは一時的に中断して、犬に、はぐれてしまった羊を捕まえに行くよう合図を出した、そして続けた、
墓石の番号がついた板を取り替えようと思った理由をまだ話しておらなんだな、
そんなことに興味はありませんよ、
興味がないなどということはないじゃろう、
どうぞおっしゃってください、
もしわしの考えが正しければ人が自殺するのは見つけてほしくないからじゃ、

ジョゼ・サラマーゴの小説を。
孤独な戸籍係ジョゼ氏は、偶然手にした見知らぬ女性の戸籍をきっかけに、彼女の人生をたどることになります。
たどりついたのは霊園の自殺者の区画。そこで出会ったのは、死者を特定するための墓石の番号をでたらめに取り替えている羊飼いの老人でした。寓意に満ちたこの小説のなかでも、白眉の場面です。

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『神道集』より「赤城大明神の事」

ひつじ話

この羊の太夫というのは、たった今上野(こうずけ)の国の多胡の庄を出発して都へ上れば、未の時(午後二時)には都の指令を受けて、申の時(午後四時)には国もとへ帰着するので羊の太夫と呼ばれる。
だから彼は、申の半ば(午後五時)に上野の国群馬郡有馬郷を出発して、日の暮れに京の三条室町に到着した。

なんどかお話している群馬の羊太夫伝説について、「神道集 赤城大明神の事」から抜き書きを。

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「マナス 少年篇―キルギス英雄叙事詩」

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隊商の連中はゲームのために路上に画かれた輪もゲームに熱中する少年たちも全く眼中になかった。
折しもマナスが輪の中央に置かれたサイコロを打ち出すために、輪の中に入って行ったところだった。
「駱駝を輪の中に入れるな!」
と輪の周りにいた者たちが言った。
駱駝の手綱を取るサルト人らは、「駱駝を進めなかったらどうする!? 放っとけ! サイコロが弾かい? やつらに何ができる!?」と思った。
カルマク人らも同様に、「おれたちはハーンの者だ。やつらに何ができる!?」と思った。
駱駝が次々と皇宮取りの輪の中に足を踏み入れ始めた。
マナスは打棒に手をのばしてこれをつかむと、羊のくるぶしの骨でできたサイコロを打棒で打った。
打棒の端で力一杯打ったので、サイコロが鉄の弾のように先頭の駱駝に向かって飛んで行って、その片脚を粉砕した。
駱駝がばったりと倒れた。
さらにもう一つのサイコロが飛んで行って、前にいた驢馬の脚に同じく命中し、驢馬が倒れた。

キルギスの叙事詩「マナス」から。
のちの英雄である少年マナスが、隊商をよそおった敵方の密偵団にケンカを売る場面なのですが、武器として羊の距骨のサイコロが使われています。
このサイコロに関しては、これまでに何度かお話したことがありますので、こちらで。
遊び方は場所や時代によってさまざまですが、マナスたちの興じている「皇宮取り」ゲームについては、同書の註釈に詳細な説明がありました。下に引用します。

このゲームは、キルギス語でオルド(皇宮の意)と呼ばれる。
遊ぶときには、人員を二組に分け(各組二人以上)、平らに踏みならした地面に大きな輪(直径十メートル前後)を画き、たくさんのサイコロ(羊のくるぶしの骨製)を輪の中央に置いて、かわるがわる牛の骨製の四角い骨で打ってはじく。
輪の外に打ち出した数の多い方が勝ちとなる。
このゲームは皇宮を攻め落とす戦いを模したことから皇宮取りと呼ばれるようになったという。

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グイド・レーニ 「聖家族―エジプトへの逃避途上の休息」

ひつじ話

「聖家族」 「聖家族」(部分)

 「カンヴァスに描かれた女性たち」展カタログ 

17世紀イタリア、グイド・レーニの「聖家族―エジプトへの逃避途上の休息」です。聖家族の一員として、羊を抱いた洗礼者ヨハネが。
現在、豊橋市美術博物館で2011年7月10日(日)まで開かれている「カンヴァスに描かれた女性たち」展で、現物を見ることができます。
こちらの展覧会は、このあと、7月16日?9月19日足利市立美術館、10月14日?12月11日大分市美術館、2012年2月10日?3月25日秋田市立千秋美術館に巡回が予定されているようです。お近くならばぜひ。
エジプト逃避のテーマでは、これまでに、レーニの師にあたるアンニーバレ・カラッチのものと、クロード・ロランのものをご紹介しています。

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