11世紀の聖遺物箱

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聖遺物箱
聖遺物箱 11世紀中葉 イングランド
セイウチの牙に透かし細工が施されているこの箱の底には、中央の円に神の子羊、十字架の各端には4人の福音書記者を表す形象が刻まれている。
(略)
環で吊り下げられるこの外箱は、聖遺物、おそらくは聖十字架の破片を納める金製の小箱を収めるためにつくられたものと思われる。

11世紀の聖遺物箱です。セイウチの牙製といえば、クロイスターズの十字架をご紹介したことがありますね。
「神の子羊」モチーフについても何度かお話したことがありますので、こちらで。

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ハンス・フォン・アーヘン 「神聖ローマ皇帝ルドルフ2世」

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「ルドルフ2世」
「ルドルフ二世」(部分)

 「ウィーン美術史美術館名品展」カタログ 

先日、「楽園」をご紹介したルーラント・サーフェリーが仕えた神聖ローマ皇帝ルドルフ2世の肖像を。胸元に、金羊毛騎士団勲章がさがっています。おなじくルドルフ2世につかえたハンス・フォン・アーヘンによるもの。この勲章を身につけた人々の肖像画は、これまでにずいぶんご紹介していますので、こちらで。

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「天路歴程」

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さて、この山の巓には羊飼が羊を養つてゐて、その人たちは公道の側に立つてゐた。
巡禮はそれで、その人たちのところへ行き、(疲れた巡禮が道のべの人に話をする時によくするやうに)杖に身を凭せかけて、尋ねた。
これは誰の歡樂山であるか、彼等に養はれてゐる羊は誰のものであるか、と。
羊飼  これらの山はイマヌエルの國で、お二人はその都の見えるところにゐられます。羊も亦その方のものです。これらのもののためにその命を棄てられたのです。
クリスチァン  これは天の都へ行く道ですか。
羊飼  ちやうどその道にゐられます。
クリスチァン  そこまでの道程はどれほどありますか。
羊飼  本當にそこへ行き着く人人以外の者にはとても達することが出來ません。

17世紀イギリス、ジョン・バニヤンの寓意物語「天路歴程」から。
天の都を目指す主人公が立ち寄る「歡樂山」での一場面です。

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アンドレア・ディ・レオーネ 「カナンへ旅立つヤコブ」

ひつじ話

「カナンへ旅立つヤコブ」
旧約聖書(創世記27章41─28章22)によると、イサクとその妻リベカにはエサウとヤコブという二人の息子があった。
(略)
ヤコブは母の計らいでメソポタミアの伯父ラバンのところに身を寄せ、長年仕えることになった。
やがて、ヤコブはラバンの娘レアとラケルの姉妹を妻に迎え、沢山の子をもうけ、伯父の財産をもとに次第に裕福となった。
しかし、ラバンの他の子供たちがこれを良く思わなかったため、神はヤコブに父の国カナンへ帰るように命じた。

 「ウィーン美術史美術館名品展」カタログ 

17世紀イタリア、アンドレア・ディ・レオーネの「カナンへ旅立つヤコブ」です。
ヤコブのお話は、これまでにいくどかしておりますので、こちらでぜひ。

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ベニン王国の仮面

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仮面
胸または腰につける仮面 16世紀 ベニン
雄羊の頸部をかたどった仮面で、襟飾りは組紐で質感をだしてある。
端のモチーフは種子のような形で、先端に輪がついている。
デザインの象徴体系にのっとって、こうした雄羊の頭はおそらく地位の象徴として用いられるか、あるいは宮廷での特定の役割か儀式を示していた。

16世紀、現在のナイジェリアにあったベニン王国の仮面です。

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ルーラント・サーフェリー 「楽園」

ひつじ話

「楽園」
「楽園」(部分)

「プラハ国立美術館所蔵ブリューゲルとネーデルラント風景画」展カタログ

先日のウィレム・ファン・ニューラント「カンパーニャ地方の羊飼い」で触れたルーラント・サーフェリーを。精密に描かれた多くの動物たちであふれかえる、「楽園」です。

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ウィレム・ファン・ニューラント 「カンパーニャ地方の羊飼い」

ひつじ話

「カンパーニャ地方の羊飼い」
「カンパーニャ地方の羊飼い」(部分)
ウィレム・ファン・ニューラント (1584年頃─1635年)
最初、風景画家ルーラント・サフェリーの兄ヤーコプのもとで修行を積んだ。
ヤーコプの死後、イタリアにおいてパウル・ブリルに学んだ。
数年後、南ネーデルラントへ戻り、1605年、アントウェルペンの画家組合に加わった。

「プラハ国立美術館所蔵ブリューゲルとネーデルラント風景画」展カタログ

17世紀ネーデルラント、ウィレム・ファン・ニューラントの「カンパーニャ地方の羊飼い」です。
同時代のルーラント・サーフェリーについては、「音楽で動物を魅了するオルフェウス」「廃墟に群れる家畜」をご紹介しておりますので、ご参考にぜひ。

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オーネー=ド=サントンジュ、サン=ピエール教会浮彫

ひつじ話

動物たち
羊の司祭
フランス西部の町、オーネー=ド=サントンジュに位置するサン=ピエール教会の小規模な南入口の上方で円弧をなす四重のアーキヴォルトの帯に目を向けるならば、外側の帯では、四足獣の脚、鳥の鈎爪、鳥獣の爪、人間らしき爪先、爬虫類のぬめぬめした腹など、多種多様な脚を持つ動物たちが、つかみあい、噛みあいながら、中央から東西に向けて奇妙な隊列を組んで行進している。

ロマネスク教会の扉口彫刻を。雄羊の司教と、本を手にした羊の助祭がむかいあっているようです。

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栃木の民芸品 「きびがら細工」

ひつじグッズ

きびがら細工
愛らしい姿の十二支は、栃木県鹿沼の伝統工芸のひとつ「きびがら細工」。
元々は「鹿沼箒」と呼ばれる箒づくりの技から生まれたもので、作者である丸山早苗さんは、創始者である祖父の後を受け継ぎ、現在ひとりで製作しています。

夏はやっぱりかごバッグを持ちたいものだと入門書をめくっていたら、なんともかわいらしい羊の細工物が載ってました。せっかくなのでバッグ関係ないですが、本ごとご紹介。
鹿沼市のHPにも載っておりましたので、下に。

鹿沼市公式HP 内 きびがら細工

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南三陸ワカメで育つ希少なラム肉。

ひつじ春夏秋冬

ミネラル豊富な飼料「ウメェ?」 南三陸ワカメ ヒツジ育てる
川崎市の社団法人が発案して、宮城県南三陸町のワカメを混ぜた飼料でヒツジを育てる取り組みが始まった。ワカメの豊富なミネラル分がヒツジを丈夫にし、肉をおいしくするという。
東日本大震災の復興途上にある町の名産にと夢が膨らむ。
「ヒツジは塩分が好きらしく、飼料の中からワカメを探して食べていますよ」。
発案した一般社団法人「さとうみファーム」代表理事の金藤克也さん(47)=川崎市宮前区=は、手応え十分といった顔だ。
収穫量が約千九百トン(二〇〇七年)と、宮城県で最もワカメが採れる南三陸町。
金藤さんは震災後、町でボランティアに参加する中で、売り出さずに捨てるワカメの芯が、活動拠点の寄木地区だけで年百トンに上ることを知った。
震災の津波で、町のワカメ養殖設備は流され、水揚げは一時ほぼゼロに。収穫量は今年ようやく震災前に戻った。
金藤さんは、塩分など天然ミネラルを多く含む草で育つオーストラリアのヒツジの肉は、高級ラムになるという話を仲間から聞き、芯の活用を思いついた。
ワカメ漁師の協力を得てワカメの芯一トンを収集。天日干しで乾燥させた芯を五ミリ角程度に切り10%混ぜた特製飼料を製造した。
六月から宮城県大郷町の牧場で一歳三カ月のヒツジ二匹に与える飼育実験をスタートさせた。
科学技術振興機構が補助金を出し、被災地復興を支援する研究にも採択された。
研究代表で、飼料作りや投与法をアドバイスする宮城大の大竹秀男教授(草地学)は「豊富なミネラルと、健康に良いとされるぬめり成分が相乗的に働き、肉質を高めると期待している」と話す。
研究では、採血して免疫力を調べ、肉の試食や検査でミネラル分がどの程度移るかなどをチェックする。
ワカメで育てたヒツジを科学的に調べつつ、商品化する例は過去にないという。
八月からは、今春生まれたヒツジ十三匹に、ワカメを乾燥させずに細断した飼料を与え、年内に「南三(なんさん)ラム」として初出荷する予定だ。
金藤さんのところには既に、東京都内の羊料理専門店などから引き合いが来ており、「国内産ラムの希少価値に加え、南三陸ワカメの知名度も生かし、ブランド化できれば」と意気込む。

ak様から、国内産羊肉に関するニュースを教えていただきました。ありがとうございます。
ミネラル豊富な草で育つ羊というと、モンサンミッシェルのものがたいへんな美味だと聞きますが、日本でも負けないものが食べられるようになるのかもしれません。楽しみです。

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アメリカのコロナライトのCM

ひつじ画像・映像

あちらのコマーシャルの羊は日本のものとはひと味違うとの情報を、K&T様から教えていただきました。ありがとうございます。

怖いです。たぶん、日本人のほうが羊に夢を見過ぎているのだとは思うのですが、それはそれとして、怖いです。
シリーズの別バージョンは、こちらで。

ADWEEK April 2, 2013付記事

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「川はどこからながれてくるの」

ひつじグッズ

「川はどこからながれてくるの」
つぎの日、三人は朝早く出発しました。
しばらくは、黄がね色にかがやく麦畑や、太陽のもとで、草を食べている羊など、いつもの見なれた風景ばかりがつづきました。
川は、そのわきを、ゆったりとおだやかにながれていきます。

夏向きの絵本を。トマス・ロッカー作、みのうらまりこ訳「川はどこからながれてくるの」です。
川のそばに住む兄弟は、おじいさんと一緒にキャンプにでかけます。目的は、川の始まりをたどること。
挿絵が美麗です。

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「シェットランドのちいさなニット」

ひつじ話

「シェットランドのちいさなニット」
ラーウィックの街から少し離れれば、島のそこここで放牧されて気ままに草を食んでいる羊たちにお目にかかります。
石のフェンスを乗り越えどこへでも行くので、ほとんど野生生活を送っているように見えるほどですが、そんなタフな彼らのアンダーコート(下毛)が、シェットランドヤーンの原毛になるのです。

季節外れにもほどがあるのは承知ながら、たいへん美しい編み物本を見かけたので、ご紹介です。
シェットランドの編み込みニットについて、その歴史や風景とともに丁寧な解説がなされています。秋になったら挑戦したいですね。

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