日本美術のヒツジはミニヒツジ
ヒツジが小さい話の続きです。
手元の資料に小さなヒツジが眠っていました。
円山応挙 「黄初平図」 遠山記念館所蔵
黄初平とは、晋の葛洪撰『神仙伝』中に記される仙人の一人。十五歳の折に羊を放牧しているところで一道士に遇い、金華山の石室中に誘われて四十余年家に帰らなかった。兄の初起が所在を尋ね当て、山中で再会したときはすでに仙道を体得していた。兄の目には白い石としか映らなかったものに初平が「羊よ立て」と命じると、石は変じて数万頭の羊になったという。
羊部分の拡大です。
応挙 「黄初平図」(部分)
数万頭の小さな羊たち。
ちまちまわらわら。
雪舟 「倣梁楷黄初平図」(部分)
こちらは雪舟の画(南宋時代の画家、梁楷の原作を模写したもの)。
左下のが羊(らしい)です。
どう見ても兎サイズにしか……。
こちらは、京都国立博物館所蔵です。
「趣味の水墨画 九〇年十二月特大号」より (日本美術教育センター刊)
※余談ですが円山応挙の“虎”はネコと毛皮?を見て描いたらしく、微妙にネコっぽい姿が可愛らしいのです。興味がありましたらこちらなどをどうぞ。 (江戸が知りたい。東京ってなんだ?!)
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