羊飼い衛星(シェパード衛星)
土星の環
特にF環は、二本の細い環がねじれて結び目がある複雑な構造をしています。結び目は、小さな衛星があるかもしれないし、後述する「羊飼い衛星」たちの重力によって集められた環の氷が密集したところなのかもしれません。そもそも、土星の環がいつ、どのようにできたのかということは、いくつかの説があり、まだわかっていないのです。
(略)
F環の話を続けましょう。この環はとても細く、幅は490kmしかありません。環を構成する小さな氷の粒子たちは、なぜもっと広がっていかないのでしょうか。
これには、羊飼い衛星(シェパード衛星)と呼ばれる衛星たちが重要な役割を果たしています。放牧された羊たちがばらばらな所へ行ってしまわないように、羊飼いやシェパードのような牧羊犬は、羊の群れを上手にまとめます。
30個以上ある土星の衛星たちの中で、少なくとも「パンドラ」と「プロメテウス」の2つの衛星は、F環の外側と内側に位置し(実際には、プロメテウスは定期的にF環の中に入るかもしれないなど、事情はもう少し複雑です)、F環の粒子たちが広がっていかないように、環を細い形に保つ役割を果たしています。
土星のまわりにも羊飼いがいて、何もしないと迷子になる存在を上手くまとめているのです。
あと、天王星にも羊飼い。
あちらこちらに。
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