混乱するカツレツ

日本のトンカツはトン(ブタ)のカツレツで、カツレツは英語のカットレットに由来するというのはよく知られたところだ。そこでカットレットを辞書で引くと、第一義に「ヒツジまたは仔ウシの肉の薄い切り身」とあり、ついで「これを揚げたカツレツ」などとなっている。カットレットは本来、料理の名ではなく、肉の種類をさす語なのである。英語のカットレットの語源はフランス語のコートレットなのだが、その一般的な定義は「骨付きのあばら肉」ということになっている。 (中略) ヒツジのコートレットを英語でいえばラム・チョップだから、カツの語源はトンカツの実態とはほど遠い。さて、そのヒツジや仔ヒツジの骨付きあばら肉は、昔から直火焼きにしたりパン粉をつけてバターで焼くのがふつうだった。そのため、パン粉焼き料理も一般に、コートレットの名でよぶようになったようだ。

ひつじ話

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