邪悪の侵入 翼獣防ぐ
南神道入り口付近に立つ石柱を過ぎて、われわれを最初に迎える巨大な石刻が翼獣です。頭に角が生えているため、唐宋代の翼獣の石刻はかい(けものへんに解)豸と呼ばれています。
西晋の歴史家司馬彪(司馬懿のおい)が著した「続漢書」の「輿服志・下」には、かい豸とは神羊のことで、善悪を判断する能力をもった霊獣であると記されています。しかし、どんなにひいき目に見ても、どの陵の翼獣も決して羊には見えません。
翼獣の造形の基本は、翼の生えた馬。つまり天馬(ペガサス)と考えられます。ただし、各陵ごとに細部の造形が異なり、橋陵の翼獣などは、とても天馬と呼べるものではありません。そこで、角の生えた翼獣の名称をかい豸と総称しているようです。
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