羊の血の腸詰

ちょうど太めのキュウリぐらいの腸詰で、長さは一メートルに及ぶものを10センチぐらいの長さにぶつ切りしたものが皿に山と盛って出されたのである。切り口を見ると、濃いチョコレート色をしており、ベトベトの半固体状である。それを小型の蒙古刀で切り分け、食べるのであるが、口に入れた瞬間、鼻孔からは強烈な血の臭みがしてきて、ど肝を抜かれた。鉄が錆びついたような匂いで、そこに羊特有の獣臭がからみついているので、この手に弱い人ならば、きっと吐き出すに違いない。

「食の冒険家」小泉武夫の、モンゴルの草原における冒険の一幕。それでも勧められたぶんは食べるのが、この著者が冒険家であるゆえん。ここまで言われると食べたくなるし。なりません?

ひつじ食

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