羊の里づくり事業スタート 泰阜で今春から遊休農地にヒツジ放牧
泰阜村の農業者らが今春から、村内の遊休農地でヒツジの放牧を始める。村は新年度当初予算案に「羊の里づくり事業」として柵の設置費用を計上し、ヒツジに草を食べてもらい土地を再生しながら、良質なラム肉を生産する“一石二鳥”に期待をかける。
放牧に挑戦するのは、「泰阜黒見めん羊牧野組合」。飯田市内の羊肉生産業者から提案を受け、黒見地区の有志七人が昨年末に結成。地区内のかつての桑畑などを柵で囲い、その中で、業者から預かるヒツジ約三十匹を四月から十月まで育てる。
ヒツジは、英国原産の顔の黒いサフォーク種。肉は、タンパク質やミネラルが豊富で、近年、健康食として出荷量が増加。北信の信州新町でも飼育が盛んで、同町は昨年「ジンギスカンの町」としてブームに沸いた。
同組合はすでに二・二ヘクタールの放牧予定地の整備を開始。村は県のコモンズ支援金事業を申請中で、認定されれば四・四ヘクタール分の柵を設置し、将来的には、ヒツジの観光農場や焼肉店の開業なども視野に入れ、都市部などからの誘客の目玉に育てたい考えだ。
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