「西遊記」の羊力大仙

 すると、今度は羊力大仙が、
「わが師兄、死んだとて畜生の姿になるわけがありません。これまたあの坊主め、幻術を弄しわれらをたぶらかしているのです。師兄の仇をとってごらんにいれまする」
 国王、「どんな法力で勝つつもりなのだ」 「煮えたぎった油の釜に入浴するのでござる」
(中略)
 道士は煮えたぎった油釜のなかでもがいております。はい出ようとしても出られぬまま、つるりとすべり、みるまに骨は脱け皮は焦げ肉はただれてしまいました。
 検視の役人がまたもや奏上いたしますに、
 「陛下、三国師は油揚になってしまいました」

「西遊記」の第四十四回から第四十六回にかけて、三蔵法師一行の前にたちふさがる車遅国の三仙人。その名も虎力大仙、鹿力大仙、羊力大仙。正体は獣です。孫悟空との術比べの果てに、羊力大仙は油揚になってほろぼされます。
ひつじの丸揚げかぁ、と一瞬うっとりするわけですが、じつは羊ではなく羚羊らしいです。

チベットカモシカ

チベットカモシカです。こんなんだったんでしょうか? あんまり(というか全然)羊じゃないですね・・・。

ひつじ話

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