ひつじと動物たちの故事成語

「羊頭狗肉」
これは「羊頭を懸げて狗肉を売る」というのが正しく、狗肉はむろん、犬の肉のことである。 (略) これは中国でも、むかしは「牛首を門にかけて、馬肉を内に売る」という成句であったのが、いつしか「羊頭をかかげて、馬脯(馬のほし肉)を売る」に変わり、やがて狗肉になってしまったのだそうだ。中国では、牛肉や羊肉を売る店で、牛や羊の頭をそのまま看板がわりに店頭に飾って、何を売っているかを一目でわかるようにしていた。 
「羊を失いて牛を得る」
「淮南子」の説山訓に、「羊を失いて牛を得る」という言葉が見える。「損して得とれ」とか、小を失って大を得たという意味である。牛はその肉だけていっても、大きいことからいってもヒツジより値打ちが上だったのである。
「群羊の中の猛虎の如く」
―といえば、例の「獅子奮迅」の勢いで、バッタバッタと斬りまくるようなさまをいう。が、それと逆に「群羊を駆って猛虎を攻む」というたとえもあった。 (略) 「史記」にあるこの言葉は、 ―それ従をなす者は、以て群羊を駆りて猛虎を攻むるに異ならず、虎と羊とは格せずして明けし、今、王、猛虎に与せずして、而して群羊に与す、臣ひそかに思えらく、大王の計あやまてり、と。 というのであって、弱小国をたくさん糾合して、強大国を攻めてもだめだといっているのだ。

ひつじ話

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