羊頭形のアッティカ赤像式リュトン
リュトンとは、動物の湾曲した角に想を得てつくられた杯で、当時、おそらく実際に飲酒のために使用されていたらしい。アッティカ製の陶器のリュトンの形は、先端部がサティロスか動物の頭部の形につくられている。 (略) 一説では、牡羊はオデュッセウスのポリュフェモスの洞窟からの逃亡を想起させ、酒にまつわる魂の救済のテーマが風刺的なかたちで示されているという。 というのも、神話の英雄オデュッセウスとその仲間は、酩酊して目が見えなくなった巨人キュクロプスの洞窟から牡羊の腹の下にしがみついて逃走したからである。
前5世紀の酒杯です。グレゴリウス・エトルリア美術館所蔵。もともと角なので、置けません。ちなみに、オデュッセウスの逃亡というのは、以前お話ししたこれのことかと。
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