捜神記 「墳羊」
李桓子が井戸を掘っていると、土缶(がめ)のような物が出て来た。なかには羊がはいっている。そこで人をやって仲尼に尋ねさせた。
「わしは井戸を掘って犬を手に入れたが、いったいどうしたわけだろう」
すると仲尼は、
「私の知識から判断すれば、それは羊です。木石の精怪は夔とか魍魎(※実際の表記は虫偏。引用者注)などと申し、水中の精怪は竜とか罔象などと申し、土中の精怪は墳羊と申すのだと聞いております」
と答えた。
※注 李桓子 春秋時代の魯の大夫
仲尼 孔子の字
「消えた羊」に続いて、「捜神記」からもうひとつ。これだけだと何の話だかわかりませんが、史記の孔子世家によると、李桓子によるいやがらせを孔子が撃退したときのエピソードのようです。以前ご紹介した和漢三才図会でもとりあげられています。
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