「ひつじ探偵団」

「ひつじ探偵団」表紙
「モップル」 彼女は小声で言ったが、リーダーの牡羊みたいに決然としていた。 「ゼラニウムを食べなさい。とにかく食べて、ゼラニウムに穴をこしらえてちょうだい。早く」 モップルはグレンキル一、早食いだった。
(略)
「食えよ」 オテロは歯を食いしばって、うなった。
まもなく、今までゼラニウムが植わっていた場所は砂漠状態となった。その砂漠の向こうに、テーブルを前にすわっているベスとレベッカが見えた。内側からは、三個の羊の頭がプランターに植わっているように見えたに違いない。幸いにも、二人の女のどちらも、窓の外を見ようとはしなかった。

本文より

ひつじファン必読! むくむく可愛いひつじ小説
つぶらな瞳、ふわふわの毛、そして天才的な推理力。見るものを虜にするカリスマひつじのメイプルが、仲間のひつじとともに難事件に挑む。ドイツでベストセラーとなったとってもキュートな物語。

最新刊情報より

早川書房から出たばかりの、レオニー・スヴァンの小説です。上は、窓辺のプランターを荒らしながら事件捜査(盗み聞き)をする主人公たち。
それにしても、「ひつじファン」! 「ひつじ小説」! それは一定の経済効果をもたらしうるものなのか、気になってしかたがありません。
ちなみに、英訳版のタイトルは、「Three Bags Full」。マザーグースの「バァ、バァ、ブラックシープ」からとられたものと思われます。主人公のミス・メイプルは、クリスティのミス・マープルがモデル(?)らしいので、タイトルも洒落たのですね。でも、日本語版の「ひつじ探偵団」のほうが、じつは小説の内容に近いような気がします。
なお、単行本の帯についた応募券を送るとひつじ柄トートバッグが10名様にあたるキャンペーンが、2007年2月28日まで行われているようです。
こちらの情報は、カーター卿さんからいただきました。ありがとうございますー!

ひつじ話

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