西域の大羊と、李審言の病気
西域の大羊 僧玄奘(三蔵法師)は西域の大雪山の上で、一村みな大羊を養うのを見た。大きさは驢(ろば)ほどもあった。
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唐の世。長安の李審言は病気にかかって狂人となり、羊のような動作をする。そしてある日急に外に走り出て郊外の野に行き、羊群の中に入ってその身も羊に化してしまった。跡を追って来た家の人たちがしきりに審言の名を呼んで探すと、一匹が答えて「自分が審言である」と言い、「一緒に帰るから、羊のまま家で養って欲しい。―羊でいるのはとても楽しい」と言った。
十二支動物の説話を大量に収録した「干支物語」から、羊エピソードを二話。「太平広記」からの抄出とのことです。
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