セントクロイ種
上野動物園に2002年12月に来園したヒツジのセントクロイ種は、カリブ海の西インド諸島北東部に位置するバージン諸島セントクロイ島で飼育されている、オスメスともに角をもたない白色の品種です。オスにはのど元から胸にかけてふさふさの直毛がたれさがり、一見ヤギとまちがえる人もあります。
(略)
ヒツジの毛はその性質によって、毛髄がなく中空で柔らかく縮れたウール(縮毛)と、ヤギの毛のような堅くまっすぐなヘアー(粗毛)とに分けられます。野生のヒツジの冬毛はウールで、春になると自然に抜け落ちますが、毛用に改良されたヒツジでは、ウールが抜けおちずに伸びつづけます。メリノー種をはじめこのようなヒツジをウールタイプと呼びます。一方、主に熱帯地方に飼われている肉用羊では、産毛能力が改良されていませんから、野生のヒツジと同様、夏には夏毛(ヘアー)に生えかわります。こうしたヒツジをヘアータイプと呼びます。セントクロイはヘアータイプのヒツジですから、冬毛のウールは刈り取らなくてもプラッキングといって、手で引いて取ることができます。その毛はウールですが粗いので、主としてカーペットやロープに使われます。「どうぶつと動物園」
「東京動物園友の会」機関誌、「どうぶつと動物園」平成15年1月号から、限りなくヤギっぽいヒツジの記事を。
「どうぶつと動物園」についての詳細は、「どうぶつ園ファンのためのウェブサイト 東京ズーネット」内、「東京動物園友の会」で見られます。
最近のコメント