「ベリー公のいとも豪華なる時祷書」 2月

「ベリー公のいとも豪華なる時祷書」 2月  「ベリー公のいとも豪華なる時祷書」 2月(部分)
中世末期、社会変動の嵐が広くヨーロッパをおおっていた時代に、フランスではヴァロア朝の宮廷文化が花開いた。聖職者階級にかわって台頭し始めた王侯貴族たちは、芸術の擁護者として大きな役割を担う。
フランス国王ジャン二世の第三王子ベリー公ジャンは、三百冊近い写本を有した稀代の蔵書家として知られ、公の注文によってランブール兄弟の制作した『ベリー公のいとも豪華なる時祷書』は、当時を代表する彩飾写本の白眉である。
特に冒頭の月暦図には、初期中世以来の農事暦の伝統が清新な自然景の中に描き出され、上部の半円形の部分を飾る太陽神と黄道十二宮の星座と共に、中世の「時」の図像として雄弁に時代を物語る。

7月の毛刈りの図をご紹介したことのある「ベリー公のいとも豪華なる時祷書」の、2月の図です。

ひつじ話

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