羊の祖先たち
現在、ヒツジは世界中に広がり、品種としてはっきり区別できるものが200種以上、それらの亜系を含めれば1000種を優に越える。
これらの家畜化されたヒツジの祖先は、ヨーロッパと南イランにすんでいたムフロン Ovis orientalis、中央アジアの山岳地にすんでいたアルガリ O. ammon、北イランからアフガニスタン、北西インドにすんでいたウリアル O. vignei、カナダ、アメリカのロッキー山脈にすむビッグホーン O. canadensisの古代ヒツジに遡る。
現在では、染色体の研究により、家畜化されたいまのヒツジはムフロンに由来するものであろうと考えられている。
<写真左>ムフロン コルシカやキプロスに野生する、家畜ヒツジの主要な祖先種の一つといわれる。体高75?ほどと体型は小さく、赤褐色の毛色であるが、ウール(羊毛)ではなくヘア(さし毛)で覆われている。
<右>ビッグホーン カナダやアメリカのロッキー山脈の中で生きているヒツジの野生種。その名の通り大きく美しい角は、山の自然を愛する人たちの憧れの的であった。家畜化されたヒツジの原種ではないが、家畜ヒツジの間に妊性をもつ唯一の野生ヒツジである。「週刊朝日百科 動物たちの地球122 ウシ・ヒツジ・ヤギほか」
羊文の錦でふれたムフロンを含めたヒツジの祖先について、あらためて。
アルガリについては、「コレクト倶楽部」の四羊銅方尊や野生動物保護関係のニュース(これとこれとこれ)で、何度かお話したことがありますね。ビッグホーンも、横浜の金沢動物園のニュースで一度。
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