シェイクスピア 「冬物語」

第四幕
第三場  羊飼いの小屋近くの道路
(略)
道化登場。
道化  えーっと、羊十一匹からとれる毛の目方は二十八ポンドだ、そいつを金になおすと、一ポンドちょっとだ、するってえと、羊千五百匹の毛を刈ると、いくらになるかな?
オートリカス  (傍白) 罠にかかってくりゃあ、あの鴨はこっちのもんだぞ。
道化  こいつは計算器でもなきゃあ計算できないや。えーっと、毛刈り祭りの仕度になに買うんだっけ?  砂糖が三ポンドだろ、干し葡萄が五ポンドだろ、それに米か―妹のやつ、米をどうしようっていうんかな。とにかく父さんが妹を祭りの女王にしたんで、景気よくやらかそうっていうんだろう。羊の毛を刈る連中に花束を二十四個も作ってやったもんな、三人一組の歌を歌う連中だ、みんなダミな男で、声までダミ声でやがる。

シェイクスピア「冬物語」の、後半部分の最初の場面です。荒野に捨てられ、羊飼いに拾われた王女は、人の良い羊飼いの育ての父と兄の元で美しく成長しています。人が良すぎて、ゴロツキのオートリカスにだまされる場面から始まってますが。

ひつじ話

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