シェイクスピア 「ヴェニスの商人」
シャイロック ヤコブが伯父ラバンの羊飼いをしていたとき―
このヤコブってのは、頭のいいおふくろのおかげで、
兄貴をさしおいてわれらが先祖アブラハム様の
三代目の、そう、三代目の跡とりになった人だが―
アントーニオ そのヤコブがどうした? 利息でもとったのか?
シャイロック いや、利息はとらなかった、あんたらのいわゆる
利息はな。ヤコブの手口ってのはこうなんだ、
あらかじめラバンとのあいだに約束を交わしておく、
その年に生まれる子羊のうち、まだらとぶちはみんな
ヤコブのものとするってな。
(略)
これが利殖の道であり、ヤコブは天の恵みを受けた、
つまり金もうけは天の恵みなのだ、盗むのでなけりゃ。
ウィリアム・シェイクスピアの「ヴェニスの商人」から。金貸しのユダヤ人シャイロックが、旧約聖書のヤコブになぞらえて自らの立場を説明する場面です。
ヤコブの話は、ジェイコブ種の名前の由来として、ご紹介しています。
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