女真族の料理 「全羊席」
女真族の伝統料理には「全羊席(チュワンヤンシー)」があった。これは文字通り、羊を丸ごとだした席であり、「煮全羊(ヂュチュワンヤン、羊の丸煮)」というメニューで金王朝に有益なお客に限って調理させたようだ。
料理法は、子羊の毛と内臓をとり、頭と尾つきで香辛料を加えて丸ごと煮る。宴席には一卓に一頭を割り振った、といわれる。お客は、各自の小刀とフォークを使って肉を切り取り、用意された塩、醤、酢を好みでつけて食べる。
(略)
また、湯菜(タンツァイ、スープ料理)としての「冷羹(ロンゴン)」もあった。厳寒の季節、トロトロに煮た羊肉のスープは冷めると煮凍(にこごり)となる。この「煮凍」を冷羮として皿に盛ったのだ。これは羊の羮であるから「羊羹」である。
小豆をつぶして寒天で煮固めた日本の「羊羹」の名はこれがルーツ、という説がある。
金王朝を建国した女真族の、南宋の使節を饗応する場合などに用意された羊料理です。ともに羊肉を好む民族だったようですね。
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