グリム童話 「子羊と小ざかな」
それで、まま母は魔法をつかうことを心えているものですから、子どもふたりに魔法をかけて、にいさんをお魚に、妹を子羊にしてしまいました。
ちいさなおさかなは、池の中をおよぎまわりましたが、かなしくってしかたがありません。子羊は、草原をのそのそあるきましたが、かなしくって、草なんぞ、たべるどころか、茎にさわりもしませんでした。
こんなふうで、かなりながいことたちましたが、あるとき、このおやしきへ、よそからお客さまがたがみえました。悪人のまま母は、これはうまいつごうだぞと思って、お料理番をよんで、
「おまえ、あの子羊を原っぱからつれてきて、つぶしておくれ、お客さまがたには、ほかに、なんにもごちそうがないのだからね」と、いいつけました。
グリム童話から。魔法使いの継母に子羊に変えられた小さな妹が、お料理番の前で訴えたことは。
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