オラウス・マグヌス 「北方民族文化誌」
第2巻 北方の驚くべき自然
第11章 グリーンランドのこびととフヴィートサルクの岩山
このグルントランディア〔グリーンランド〕(この名は《戦い》、あるいは見事な砂から名づけられたのか、それとも、外の説では、その緑色からグルントランディアと呼ばれた)の国の不思議について、しばしば人の語ること、つまり、この地の住民が鶴の大群と戦わなければならなかったことを、もしもプリニウスがその著書の第七巻、第二章でスキタイの人々に触れたところの文書や報告で同じことを述べているのでなかったら、たとえ尊敬に値する人々から耳にしたとしても、わたしはほとんど信じなかっただろう。
すなわち、前述の箇所で彼は言っている。《アストムの種族〔インドの伝説的な種族〕の住む彼方、山のはずれに、身長が三スピュータマ〔一スピュータマは二・三フィート〕、つまり三ドドラントを越えない小人族スピタマエイがいると言う。
山が北風をさえぎるため、常春の健康地に住むが、鶴に脅かされていることはホメーロスも報告している。
言い伝えでは住民は羊や山羊の背に乗り、矢で武装し、春には一団となって海岸に下りていき、鶴の卵と雛を始末する。
この遠征には三か月を要する。さもないと殖える鶴の群れに抵抗できない。
16世紀に著されたオラウス・マグヌスの「北方民族文化誌」から、小人族と鶴の戦いの場面です。
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