マルコ・ポーロ 「東方見聞録」
パミェル地方
ヴォカンを出発してずっと山岳地帯ばかりを三日間にわたり東北行すると、世界で最高の土地だといわれる場所に至る。
(略)
とりわけ大型の野生のヒツジがおびただしく棲息している。
その角は優に六スパンにも達し、最も短いものでも三―四スパンを数える。
牧羊者たちはこのヒツジの角で食器椀を造るし、またこれを材料として柵を巡らし夜間その家畜を入れておく囲いをしつらえる。
ところで他方ではオオカミの数もおびただしく、これら野生のヒツジでその餌食となるものが多いから、至る所にその骨や角が散乱しているのを見受ける。
この遺体の骨や角を集めて道路沿いに堆積が作られており、これが積雪時における旅行者への道しるべの用をなしている。
マルコ・ポーロの「東方見聞録」より、パミール高原についての記述です。
訳注によると、スパン(span)は約23?とのこと。巨大ヒツジです。
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