「荒野の羊飼い」
ケパは羊の一隊を見わたした。先頭の羊はちゃんと先頭に立っていた。黒羊は決められた場所にいた。
列の中ほどを行く羊は中ほどに、一番あとから行く羊は一番あとについていた。
羊たちを見ても、生きた羊毛のよせ集めではなく、一頭一頭、がつくようになるだろうと、ティオ・マルコはいっていたが、そのとおりだった。
羊飼いはどうやって羊たちの区別がつくようになるのだろうか、とケパは思った。
ぼくが区別がつくようになったのはいつだったろう? 何に教わったのだろう?
ケパは考えてみたが、答えられなかった。
それは羊飼いが通る羊の道のなぞだった。
アン・ノーラン・クラークの児童文学「荒野の羊飼い」です。
スペインのバスク人である主人公の少年は、牧羊業者として成功した名づけ親を頼って単身アメリカへ渡ります。
アイダホの大草原が少年に与えた多くの試練は、彼を大きく成長させ、そして。
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