トルコの民話 「毛皮娘」
王女は、子羊の皮をもらって、それをかぶりました。
王女は、地面を這いながら、城からはなれていきました。
途中で、いくつもの森を通りました。
森には、おおかみや野獣がいて、なん度も、あぶないめにあいました。
そんなふうに、長いこと歩いていくと、やっと、ある町に着きました。
(略)
毛皮娘は、お城の中に、だれも残っていないのがわかると、羊の皮を脱いで、黄色い服を着て、パーティがおこなわれている庭へ行きました。
娘は、庭のすみに隠れて、すわりました。
けれども、娘はとても美しかったので、若い王子の目を引きつけました。「シルクロードの民話 アラビア・トルコ」
アラビア・トルコの民話集から。
父王の求婚から逃れるために羊に化けた王女の顛末。「千匹皮」とか「鉢かづき」とか、お姫様が妙なものに身をやつすお話は世界中にあるようですが、この王女の行動力はイランの亡命者並みにお姫様離れしています。
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