群羊を駆りて猛虎を攻む
且つ夫れ従を為す者は、以て群羊を駆つて猛虎を攻むるに異なる無し也。
夫れ虎の羊における、格せざるや明らかなり矣。
今大王猛虎に与せずして、群羊に与す。
ひそかにおもへらく、大王の計過てり矣と。
通釈
また、そもそも合従を〔して、秦に敵対〕するということは、群羊を駆り立てて猛虎に攻めかかるのと異なるところがありません。
虎と羊とでは勝負にならないことは明らかです。
今、大王は猛虎と手を結ばずして群羊と仲間になっておいでです。
ひそかに、大王のはかりごとは過っておられると、考えております。
戦国策・楚策から、弱い者を集めて強者に対抗するという意味の故事成語、「群羊を駆りて猛虎を攻む」。
縦横家である張儀が、楚王に対して連衡策を説く場面で使われる表現です。
戦国策からは、他に「亡羊補牢」と、「中山君、都の士大夫を饗す」をご紹介しています。
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