中世ヨーロッパの城の家計簿

エレアノール・オブ・モンフォールの家計簿は、十三世紀の城の家計がどのようなものであったかをうかがわせる貴重な資料である。
この家計簿はこの種の帳簿としては現存する最古のもので、ごく普通の一週間(1265年5月)に一家の切り盛りにいくらかかったかが詳細に記録されている(貨幣価値についていえば、十三世紀の熟練工に支払われる賃金は、日当四ペンス半―一シリングは十二ペンス、一ポンドは二〇シリング―が相場であった)。
日曜日、伯爵夫人とシモン・ド・モンフォールの殿および(伯爵夫人の供の)前述の者たちに供す―パン、一クオーターと二分の一。ワイン、四セクスタリー。ビール、計算済み。
〔厨房〕エヴァーリよりヒツジ六匹、牡ウシ一頭、仔ウシ三頭。獣脂八ポンド、十二シリング二ペンス。家禽六羽、三シリング。たまご、二〇ペンス。コムギ粉、六ペンス。賄い用パン、三ペンス。ガチョウ一〇羽、計算済み。
〔厩舎〕ウマ五〇頭用のまぐさ。オートムギ、三クオーター半。

合計十七シリング七ペンス

中世ヨーロッパの生活誌から、十三世紀イングランド貴族の家計簿を。
中世ヨーロッパの人々の暮らしについては、これまでに、フランスのこどもの遊び絵本「中世の城日誌―少年トビアス、小姓になる」13世紀フランスの都市生活15世紀のパリの物価羊の角の窓ガラスのお話などをご紹介しています。

ひつじ話

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