「炭焼きと黄金の羊」
炭焼きは、何日も世界をさまよい、とうとう大きな町にたどり着きました。
そこには金持ちの王さまが住んでいて、とても忠実な、金色の毛の羊をたくさん飼っておりました。
でも、だれひとり牧場で、羊たちの番をすることはできませんでした。
というのも羊たちは、いつも逃げ出したからです。
王さまは雇った羊飼いのみんなに、こういいました。
「黄金の羊たちが牧場から家へ逃げ帰ってこなかったら、わしの娘を妻にやる。
わしには姫が三人おるが、ひとりを妻に選んでやろう。
それから羊飼いをわしと同じく王にしてやる。
ただしだ、羊たちが家へ逃げ帰ってきたら、縛り首にしてしまうぞ!」
ジプシーの伝説集から、メルヘン「炭焼きと黄金の羊」を。放浪する炭焼きの若者が王さまの羊飼いとなり、幸せをつかむまでのお話。
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