ロシア民話 「動物たちの冬ごもり」
動物たちは道を歩きながらこんなことを話しあった。
「仲間の諸君、どうしよう。冷たい季節がやってくる。どこで暖かい場所を探そうか」
牛はこう言った。
「みんなで小屋を作ろう。さもないと冬になってこごえてしまうから」
羊は言った。
「ぼくは暖かい外套を着てるんだ。ほら、こんなにもくもくしている。このままで冬を越せるよ」
(略)
やがて冷たい冬がやってきて、寒さが身にしみるようになった。
羊はがまんできなくなって、牛のところへやってきた。
「中へ入れて、暖まらせておくれ」
「だめだよ、羊くん。きみは暖かい外套を着てるんだ。そのまま冬を越したまえ。中へは入れてあげないよ」
「入れてくれないなら、ぼくは小屋のまわりをぐるぐる走って、小屋の丸太をつきくずしてしまうからね。」
アファナーシェフ編纂の「ロシア民話集」より、「動物たちの冬ごもり」を。
こんなにわがまま放題の羊ですが、じつはこのあと、彼らを狙う熊と狼と狐を相手に大活躍をするのです。なかなか痛快。
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