ペロー童話 「グリゼリディス」

暇をみつけるとすぐ、大公はまた狩りに出て、
巧みにまいて
供の一行から逃げ出し、
首尾よく道に迷います。
念入りに観察しておいた
木々の梢、山々の高い頂、
忠実な恋心のひそかな忠告が、
見事な案内役をつとめたため、百もの交叉する道を
通り抜けたにもかかわらず、
羊飼いの娘の家を見つけました。
娘には一緒に住んでいる父親しかいないこと、
名はグリゼリディスであること、
羊の乳をしぼって静かに暮していること、
娘がだれの手もかりずに紡ぐ羊の毛で、
町に出かけるまでもなく、自力で
服をつくっていることを知りました。

シャルル・ペローの童話「グリゼリディス」を。
貞淑な妻の忍耐心を試そうとする暴君と、苦労の末に和解を果たす妃グリゼリディスのお話。引用はその冒頭、つつましい羊飼い娘だったグリゼリディスが大公に見初められる場面です。

ひつじ話

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