キプリング 「めえー、めえー、黒い羊さん」
ハリー叔父さんは落ち着かない様子でダイニング・ルームに座っていた。「いいかげんにしろよ、ローザ。あの子をほっといてやれないのか? わしと一緒のときはとても良い子なのに」
「あなたといるときは良い子ぶるのよ。残念ながらあの子は黒い羊(厄介者)だわ」
ラドヤード・キプリングの自伝的小説「「めえー、めえー、黒い羊さん」から。小説の冒頭に、「バァ、バァ、ブラックシープ」が掲げられています。
甘やかされて育った頑固な少年は、両親から離れてあずけられた厳格な家庭になじめず、心身に支障をきたしていきます。もてあまされた少年は、厄介者を意味する「黒い羊」と呼ばれるようになるのですが。
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