フィレンツェ共和制におけるアルテ
フィレンツェ共和制の中身は商工業者の同業組合による支配であり、「アルテ」と呼ばれる組合に加入していなければ参政権はなかった。
そのアルテも大小二種に分類され、法律家、梳毛、毛織物、絹織物、商業、銀行、医薬業の七つが大アルテ、肉屋、酒屋、大工、石工、左官等十四の業種が小アルテと呼ばれる。
(略)
今やトスカーナ地方の半分以上を占める共和国領土を、フィレンツェという一都市が独裁的に支配し、そのフィレンツェの中では三千名の商工業者が権力を独占するという構図である。
ペストの惨禍から立ち直って経済成長が続く中で、その三千の特権層の中にも貧富の差が広がり、大アルテに属する富裕市民はますますその力を振るい、小アルテの権限は著しく狭められた。
先日ご紹介した「ルネッサンス巷談集」絡みで。14世紀フィレンツェの「羊毛組合と肉屋組合」の実際について、イタリア史の概説書から引いてみました。
14世紀前後のフィレンツェ関連では、これまでに、サンタ・マリア・ノヴェッラ聖堂スペイン人礼拝堂、「ルネサンス画人伝」の「ジョット」、フラ・アンジェリコの「聖母戴冠」、ギルランダイオ「神殿から追い出されるヨアキム」、ブルネレスキとギベルティが競い合った「イサクの犠牲」などをご紹介しています。
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