ミルトン 「リシダス」

われら ともども手をとりて、同じ丘にてはぐくまれ、
泉、森かげ、清流のほとりに同じ群羊(むれ)を追い、
小高き丘の森かげに
暁あかく明くるとき
われらともども野に出でて
冷たき朝の露をもて 羊の群を育てつつ
夕空に昇る明き星
西転の軌道(みち)を下るまで
暑苦しき蟋蟀(こおろぎ)の翅音(はおと)ひねもす聞きたれば。

17世紀、清教徒革命下のイギリス、ジョン・ミルトンによる、亡くした友人を追悼するパストラル・エレジー「リシダス」を。
「同じ丘」で「同じ群羊」を追うという隠喩によって、同じ学舎で過ごし、ともに学究にはげんだ思い出が語られます。
牧歌(パストラル)については、田園詩、田園画ともに、このあたりで。

ひつじ話

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