「玉葉」文治元年十月八日条
玉葉巻四十三 文治元年十月
八日、天晴、和泉守行輔、進羊於大将、其毛白如葦毛、好食竹葉枇杷葉云々、又食紙云々、
日本人の固定観念のなかになぜかある、「羊が紙を食う」というイメージは、「和漢三才図会」を筆頭に、江戸時代にできたものだと思っていたのですが、あろうことか、源平合戦のころのお公家さんの日記である「玉葉」に、同じ記述がありました。
葦毛のように白く、竹や枇杷の葉が好きで、紙も食う、とのことです。食べさせてみたんでしょうか、紙。
なお、江戸期の「紙を食う」イメージについては、歌川国芳の「かみゆいどこ未」や「道外獣の雨やどり」、小野蘭山「本草網目啓蒙」、「本朝食鑑」、「江戸風俗語事典」、「誹風柳多留」などをご参考にぜひ。
ちなみに、日本でもっとも古い羊の記事としては「日本書紀」推古天皇七年が、「玉葉」と同時代には「百練抄」の羊病の噂が存在しています。
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