プトレマイオスによるアレクサンドロスのコイン
大王の後継将軍たちは、王家との血縁関係を持っていなかったため、常に自己の権力を正統化する必要に迫られた。
もちろんすべてを決するのは軍事力であり、戦争での勝利こそが権力保持の第一条件である。
しかしそれに劣らず重要だったのが、マケドニア人兵士を自分に服従させるための政治的心理的な宣伝であり、そのさい最も頼りとしたのが大王のイメージである。(略)
中でも目を引くのは、大王に似た生誕神話や奇蹟譚を創作したことと、貨幣に刻まれた図像である。
(略)
プトレマイオスは、前321年にペルディッカスが殺された後、勝利を記念して新しい四ドラクマ銀貨を発行した。
表には、象の頭皮をかぶり羊の角をつけたアレクサンドロス、裏にはゼウスの坐像が彫られ、「アレクサンドロス王の」という刻印がある。「興亡の世界史1 アレクサンドロスの征服と神話」以前、リシマコスの銀貨をご紹介したことのある、アレクサンダー大王の姿が刻まれたコインをもうひとつ。こちらは、プトレマイオスによるものです。
アレクサンダー(アレキサンダー、アレクサンドロス)大王関連では、他に、「アレクサンドロス大王物語」、「おしゃべりの樹」、「プルターク英雄伝」などをご紹介しています。
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