アルフォンス・オスベール 「幻視」
神のお告げにより突如フランス救国の騎士となったジャンヌ・ダルクかと思うが、1899年には作者自身が、これは聖ジュヌヴィエーヴであるとしている。
聖ジュヌヴィエーヴは、パリの守護聖人であり、パンテオンにはオスベールが大いに感化されたピュヴィス・ド・シャヴァンヌの《パリの町を見守る聖ジュヌヴィエーヴ》の壁画があるから、羊の番をしているときに神のお告げを聞くという設定はジャンヌ・ダルクのほうにふさわしいにもかかわらず、作者はあえてこれを聖ジュヌヴィエーヴとしたかったらしい。
19世紀末フランス、アルフォンス・オスベールの「幻視」です。オルセー美術館蔵。
解説文にあるピュヴィス・ド・シャヴァンヌについては、こちらで。
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