回族の昔話 「太陽の返事」

そこでイスマは、毛の長い羊の背に乗りました。
しかしイスマには、耳のわきで風がヒューヒューと響くのが聞こえるだけで、何千キロ歩いたのか、何万キロ歩いたのか、まったくわかりませんでした。
羊が止まったとき、すでに太陽のおふくろさんの家に着いていました。
(略)
太陽のおふくろさんはまた言いました。
「羊の毛は長く生えて、暑くて辛くて、とても歩きにくいそうよ」
太陽は言いました。
「それは簡単です。毎年ハサミで羊の毛を刈るのです。その毛で糸をよったり、服を織ったり、フェルトをのばしたり、というように、いろいろな使い道があるんですよ」

中国少数民族の昔話集から。
おじいさんを助けるためと、土を耕す良い方法を知りたい農夫や、毛がのびすぎた羊をどうしたものか知りたい牧夫の依頼を受けて、イスマ少年は太陽の家をたずねます。連れていってくれるのは、どういうわけか、牧夫のそばにいた毛ののびすぎた羊です。

ひつじ話

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