モチツツジ(続き)
「羊」も「餅」もともに神に捧げるものであったことが注目される。
羊が犠牲獣となった背景には諸説あるが、そのおとなしい性格(殺される時にすら羊は従順である)も一つの理由である。まるで植物のように。
(略)
また「羊躑躅」と「もちつつじ」の結びつきはモチツツジの毛茸(もうじょう、細かい毛)の多い葉にあるかもしれない。毛茸は羊の毛を連想させる。
先日の、「一休、あて字を訓み給ふ事」で謎を残してしまった「モチツツジ」と「羊」の関係について、西川照子『神々の赤い花』の一章、「羊躑躅─羊は植物だった」より。
ちなみに、中国では「羊躑躅」はトウレンゲツツジに相当するようで、こちらについては、その有毒性のために「誤って食べた羊が躑躅(てきちょく)として死ぬ」との語源説が与えられています。
なお、おとなしい犠牲獣としての羊については、馬琴の「烹雑の記」で触れたことがあります。
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