中世ヨーロッパの羊のごちそう

家禽類や肉や魚を切ったり準備したり盛りつけたりすることにかんして、おびただしい決まりとさまざまな専門用語がありました。
(略)
仔鹿や仔山羊や仔羊の腎臓は一番初めに供されるご馳走で、そのときだけ、あばら骨一本を添えます。
(略)
レバーや砂嚢や咽や腸や心臓のような臓物は、それらを取り出した元の動物の中に詰めものとして入れる材料となりました。
豚や羊や魚から取り出された胃には肉や卵やスパイスが詰められて、近代のソーセージをしのばせるようなそれだけで独立した料理になりました。
(略)
また飾り用に工夫したアーモンドは、細かく切って羊の胃袋をとげだらけにして“やまあらし”や“針ねずみ”に似せて作るのに使いました。

『ガウェイン卿と緑の騎士』『カンタベリー物語』などを引きつつ、中世ヨーロッパの宴席を活写する『中世の饗宴』から、羊の出てくる部分を。

ひつじ話

Posted by


PAGE TOP