『変身物語』より「アラクネ」
アラクネは、織り進む。
ユピテルが、こんどはサテュロスに身をやつして、美しいアンティオペに双生児を見ごもらせたこと、(略)羊飼いとなってムネモシュネを、まだらの蛇となってプロセルピナをだましたこと─そんな場面が加えられてゆく。
海神ネプトゥーヌスも、あらあらしい雄牛に変じて、アイオロスの娘を籠絡し、河神エニペウスの姿でアロエウスの妻を身ごもらせ、雄羊となってビサルテスの娘をたぶらかした。
(略)
そこには、アポロンも登場する。
野人の姿をしているかとおもうと、隼の翼に包まれたり、獅子の皮をかぶったりもしている。
マカレウスの娘イッセをだましたときは、羊飼いに化けてもいた。
オウィディウス『変身物語』から、アラクネとミネルウァ女神の機織り勝負の物語を。
神々の非行を描いたタペストリーを織り上げ、女神に懲罰を受ける織手アラクネのお話ですが、どうも神々は悪事をはたらくときに羊飼いに化けがちのようです。
ネプトゥーヌスとビサルテスの娘のお話は、以前触れたことがありますね。
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