ヴァザーリ『芸術家列伝』より「レオナルド・ダ・ヴィンチ」
彼はしばしば羊の小腸を念入りに脱脂し、洗い浄めてたいへん薄いものにし、手のひらに納まるようにした。
それから隣の部屋に鍛冶屋が使うふいごを置き、腸の先をこれにつけて空気を吹き入れた。
するとそれは、たいへん大きなレオナルドの部屋いっぱいにふくらみ、居合わせた人々は隅の方に押しやられ、小さくならなければならなかった。
そして彼は、初めは小さかったのに大きな空間をしめることになった透明で空気のいっぱい詰まったこの腸を示し、徳もまたこれと同じことだと言った。
以前、ジョットの評伝をご紹介したジョルジョ・ヴァザーリによる、レオナルド・ダ・ヴィンチについてのエピソードです。
他にも、友人たちを驚かすためにおそろしげな装飾をつけた蜥蜴を飼っていたとか、部屋に資料として持ち込んだ動物の死骸の悪臭に気が付かなかったとか、はた迷惑そうなお話が満載されてます。ほんとにこんな人だったんでしょうか。
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