ロシア民話 「とりかえっこ」
百姓はとりかえて、牛の角をひっぱっていった。
すると羊の群れがいた。その牧童が百姓にこうたずねた。
「やあ、お百姓、どこへ行ってきたんだね」
「王さまのところさ、ゼリーをもってね」
「王さまから何をもらったんだい」
「金の山鳥だよ」
「その山鳥はどこにいるんだ」
「馬とかえたよ」
「その馬はどこだい」
「牛ととりかえたのさ」
「その牛と羊をとりかえっこしようじゃないか」
百姓が羊を追っていくと、豚の群れがいた。
牧童が百姓にこう言った。
「やあ、お百姓、どこへ行ってきたんだい」
先日の、「姉アリョーヌシカと弟イワーヌシカ」に続いて、アファナーシェフのロシア民話集からもうひとつ。
王さまにゼリーを献上して金の山鳥をもらったお百姓が、帰り道でとりかえっこを繰り返し、家に着いて女房に手ひどくぶたれるまでの一部始終。
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