「イリアス」の宴会シーンと、古代ギリシアの焼き串台
肉の焼き串台 (クレタ出土、ミノア時代)
アキレウスは大きな肉切台を炉の火のあかりのさす辺りに持ち出し、羊と肥えた山羊の背肉と、肥えて脂のよくのった豚の腰肉を置き、アウトメドンにそれを抑えさせて、自分でそれを大切りに切ってゆく。
さらにまた念入りに細かく切り、串に刺す。
神にも見まごうメノイティオスの子が、赤々と火を燃やし、燃え尽きて焔も弱まった頃を見はからい、おきを敷き並べてその上に串を置き、串の両端を串台に支えて、聖なる塩を振りかける。
食を通じて古代ギリシアの文化を語る「食べるギリシア人」より、「イリアス」の英雄たちの肉好きっぷりに関する一章から。
引用は、「イリアス」第九歌の、アガメムノンがアキレウスの陣屋へオデュッセウスらを使者としてさしむけ、アキレウスがそれを歓待する場面。参考写真の焼き串台がかわいらしいです。
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