ベックマン 「西洋事物起原」
シャルルマーニュは、冬に肩と胸を覆うような外套を着たが、外国の服を敵視して自国の毛皮だけを使い、ある写本の記事によると、カワウソの毛皮だけを用いた。
それなのに当時の宮廷では高価な東洋の毛皮が使われていたらしい。
というのも、シャルルマーニュは寒くて雨降りの日に従者と共に狩りに行くとき、羊の皮だけを着たが、従者のほうは、イタリアでヴェネチア人が商っていた高価な品物を知って、その外国製の布と毛皮でできた服を着ていたからである。
これらの外国製の毛皮は、十分に水を吸わせ、火で乾燥させると粉々になった。
シャルルマーニュは自分の羊の皮を乾かし、こすらせて廷臣に見せて、彼らの外国の毛皮の服を嘲笑った。
18世紀ドイツ、ヨハン・ベックマンによる技術史の古典『西洋事物起原』より、「毛皮の衣服」の章を。
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