オドリコ 「東洋旅行記」
第三十一章
一頭の子羊大の獣が生れるというメロンについて。
(略)
その話というのはカデリと呼ばれる大王国のことで、其処にはカスピ山脈と呼ばれる山々があり、其の地に非常に巨大なメロンが生ずると云われている。
このメロンが成熟すると割れて、その中に一頭の子羊ほどの大きさの小動物が見られるという。それゆえメロンには果実と、その中の小さな肉とをもっていることになる。
植物羊に関する記録として、マンデヴィル「東方旅行記」と並んで紹介されることの多い、オドリコの「東洋旅行記」です。というか、同じ記述ですね。
植物羊関係では、この他に、ホイジンガ「中世の秋」、ヘンリー・リー「スキタイの子羊」、南方熊楠「十二支考」、澁澤龍彦「幻想博物誌」、「和漢三才図会」、ボルヘス「幻獣辞典」、タカワラビの根茎、レオ・レオーニ「平行植物」、「幻想図像集 怪物篇」などをご紹介しています。
最近のコメント