スペンサー 「羊飼の暦」
ある羊飼(と呼べばよい)
冬の寒さが落ち着いて
ある日折よく晴れた日に
小屋の羊を連れ出した。
閉じ込められて弱ってて
足で立つのもやっとこさ。
それに劣らず羊飼
やつれ青ざめその顔は
恋の悩みか心痛か、
笛の名手で歌上手。
弱った群れを丘へ連れ
草食ませつつこう嘆く。
「恋を哀れむ神々よ
(悲恋哀れむ神あれば)
天の園から見下ろして
どうかお聞きをわが哀歌。
恋したパーン 牧神よ
身に覚えある哀れみを。
エドマンド・スペンサーの牧歌「羊飼の暦」の冒頭部分です。羊飼いコリン・クラウトの悲恋と、それを象徴するかのような冬の羊たちの姿が歌われます。
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