「酉陽雑俎」よりいろいろ
巻八 「夢 夢と夢占い」
許超が、羊を盗んで入獄した夢をみた。
元慎がいった。
「城陽の令を得ましょう」
その後、城陽侯に封ぜられた。
巻十一 「広知 俗信と物忌み」
獣は、尾のさきが二つに分かれ、鹿のような斑(まだら)があって、豹や羊に似、心(むね)にあながあるのは、ことごとく人を害する。巻十六 「広動植之一 動植物雑纂その一」
大尾の羊。
康居では、大尾の羊を産出する。尾のわきが広い。重さが十斤ある。続集巻四 「貶誤(へんご) 誤用をたどる」
いい伝えによると、徳宗〔李适〕が、東宮に行幸したとき、太子〔李誦。のちの順宗〕は、みずから、羊の脾(ひ)〔臓物の一〕をさいていて、水分で手がべとべとしたから、餅(ピン)でそれをふいた。
太子は、帝の表情がかわったことに気づいたが、あわてもせず、その餅を捲いて食べたのである。
唐代の随筆集「酉陽雑爼」から、いくつか引用。
夢の話の元慎は、北魏の人で夢判断の上手。同音の「陽」と「羊」がかけられています。
羊の脂を餅でふく話は、注によると、皇帝が食物の浪費だと不快に思うのを察した太子が手をふいた餅を食べる型の説話は、隋・唐代の野史によくある、とのこと。
「酉陽雑爼」には、他に、すでにご紹介済みの神羊の話や玄奘の見た西域の大羊の話なども含まれています。
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