ラ・フォンテーヌ 『寓話』より「ワシのまねをしようとしたカラス」
ジュピテルに仕える鳥がヒツジをさらっていった。
それを見ていた一羽のカラス、
(略)
かれはヒツジの群れのまわりを飛びめぐり、
たくさんのヒツジのなかでいちばん太った、いちばんみごとな、
まさに祭壇に捧げられるべきヒツジに目をつける。
(略)
ヒツジという生きものは
チーズよりも重い。さらにその毛は
とても深くて、
ほぼポリフェモスのひげのようなぐあいに
もじゃもじゃしている。
それがカラスの足にすっかりからみついて
あわれな鳥は退却することもできなかった。
羊飼がやってきて、それをつかまえ、ちゃんと籠に入れて、
おもちゃがわりに子どもにやった。
「ブタとヤギとヒツジ」、「オオカミたちとヒツジたち」、「羊飼になったオオカミ」をご紹介している、ラ・フォンテーヌの『寓話』より。
ポリフェモスというと、「ガラテイアとアキス」や「オデュッセイアー」に出てくる一つ目巨人の羊飼いですが、ヒツジの毛並みと比べられるようなひげの持ち主だったんでしょうか。
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